障害者雇用に関する批判的見解は法的側面から語らないと危険性を伴うと以前日記に書いたが、あるユーザーが発達障害を巡って書かれたノート記事は感情ベースで書いてしまったという点で典型であった。
内容はすでに削除済みになっているので、ざっくり内容をまとめると一般就労で入った新卒が入社直後に障害をカミングアウト、それからその新卒社員は短期間であちこちの部署を異動、書いたユーザーが所属する部署にも配属されたまったく使い物にならない、病院にもつながっていない手帳も取得していないようなので苦しいというものであった。
ノートへの記載内容は中身はともかく人総的には色々考察できると思うが、思いついたのは1点あったのでそれだけ記述。
1.発達障害をカミングアウトしたことでなぜ解雇にならなかったか
ここが最大の疑問のように思っていた方もいたのですが、事例と推測を参照してみる。
JILPTの雇用関係紛争判例集を見る限りでは類似の事例としては以下が考えられる。
他方内定取消を違法とした例には、応募書類では在日朝鮮人であることを秘匿し、後にそのことが判明して内定取消となった日立製作所事件(横浜地判昭49.6.19 判時744-29)があり、ここでは、提出書類の虚偽記入は、その内容・程度が重大で信義に欠くものでなければ内定取消は認められないとされた。
この事例では応募書類と実際の状況に相違があって内定取消となったとされているが、今回のノート記事で書かれたような事例の場合、発達障害であるが入社直後に判明した場合であれば経営側の判断としては裁判沙汰になるよりは、新卒社員という採用形態の将来性、教育的側面にかけてそのまま採用を維持したのではないかと思われる。また、ノートを書いた人は知らないようだが、合理的配慮は手帳持ちでなくても事業者判断で受ける(PDFリンクの9頁)ことができるので、障害をカミングアウトしたから解雇というのは選択肢としては現実的ではないと私は思う。
とはいい、どうしても能力を見極めたい場合であれば試用期間を設けることが求められる。記事によれば、試用期間中は解雇や契約終了の幅も通常よりは広く取られており、ここで能力を見極めていくということになるだろう。
あくまでも一般論ではあるが、今回のケースの場合、試用期間で見極めずそこから本採用になった以上は、しょうがないだろうというところであって我慢しなさいというのが個人的な見解。また、最終的に従業員へ退職を促すか否かは従業員のお気持ちでは不可能なのでそんなことで気を病むだけ本質的には時間の無駄であるといえる。
終わり
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