2022年1月21日金曜日

雑記:促進法の第四条を見ながら

 障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)の第四条には次の一文がある。
第四条 障害者である労働者は、職業に従事する者としての自覚を持ち、自ら進んで、その能力の開発及び向上を図り、有為な職業人として自立するように努めなければならない。
 職業に従事する者としての自覚を持ち、能力の開発と向上を図っていくという趣旨である。続いて第五条は事業主の責務として次のような一文がある。
第五条 すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであつて、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。
この2つの条文を見る限り、要するに障害者である労働者は能力開発・向上に意思を示し、それに対して事業主はその努力に応えなければならないということである。第四条は下記の記事にあったものだが、これを見て以前支援者に同様のことを指摘されたのを思い出した。

ネットの障害当事者の中にはどうも労働者である障害者としての自立ばかり強調し、自己責任の範疇から事業主の役割を軽視する声も見かける。

色々な議論があるのは理解するが、労働者である障害者に対しての首を締めかねない議論だ。

甚だしい話になると、労働者である障害者の範囲はいわゆる入社後障害者に限ったという見解を開陳している人もいる。確かに入社後、一定期間以上勤務し疾患等を発症し障害者になるケースはある。それは一側面ではあるが、それが障害者雇用のすべてではない。その説を開陳していた人によれば、一般的な障害者雇用は社会貢献に過ぎずコストに合わないため障害者雇用の居場所はないとのことだが、それはコスト意識が強すぎる危険な議論だ。経済はコスト意識も大事なのは承知するところだが、倫理もまた同じくらい重要であり、それは歴史を知らないものの見解でしかない。

招かざる客に相当するものがそこには見え隠れすると個人的には思う。

終わり

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